大学受験の勉強や高校の授業で困ったときは - 塾講師が教える受験勉強のコツや勉強法

1章 塾講師の授業

 

 

塾講師のアルバイトの教え方、マインド編です。

 

 

1章 授業

 

良い授業をするためには、まず授業とは何かを簡単に頭の中で整理しておきたい。
読者の皆は明日すぐ使えるテクニックや簡単に真似できる話術を期待したかもしれないが、もし講師として成長したくてこれを読むのであれば、グッと堪えて前から順に読んでほしい。
ただ行動を猿真似しても、その思考回路を真似出来ないと、効果は半減してしまう。

 

 

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授業=解説+指導

 

授業とはおおよそ“解説”“指導“の2つの要素に分けられる。

 

 

“解説”とは、言葉通り、単元内容の解説であり、板書・ノート作りであり、生徒の理解の手助けをすることである。
世の中には読んでもサッパリ理解できない参考書が大量に蔓延っているが、読んで余計に混乱するようなものは“解説”とは呼べない。

 

 

“指導”とは、簡単に言うと、生徒が塾外で過ごす時間に変化を与えることである。
宿題を課したり、課題が終わらないことを叱ったりするのはすべて“指導”である。
指導を通して生徒に影響を与え、行動を変化させる。
指導力とは影響力、訴求力ともいえる。

 

 

生徒が問題を解けないのは“解説”が悪いし、生徒が勉強しないのは“指導”が悪いということだ。

 

 

塾講師のアルバイトを始めてすぐは「どのように教えれば(“解説”すれば)いいか」にばかり気を取られることになるが、2年も経って授業に慣れた頃にはきっと“指導”の大切さと難しさに気が付き始める。
叱ってさえいれば指導が出来ているわけでもない。
様々な方面から生徒に影響を与えられてこその“指導”である。

 

 

何のために叱っているのかを見失った瞬間、それはただの罵声となる。
叱るというのは手段である。
手段と目的を混同してはならない。
思考のない行動は、何の結果も生まない。
叱る思考を学ばなければならない。

 

 

昨今、新しい形式の塾として出現しているのが、東進に代表される動画授業と、授業をしない塾(武田塾)である。
これらを先ほどの考え方で見ると、動画授業は“解説”に特化した塾であり、武田塾は“指導”に特化した塾である。
それぞれ一長一短だが、効率重視の動画授業に完全にシェアを奪われていないことや、武田塾の出現からも、“指導”の重要性を生徒や保護者側が感覚的に理解していることがわかる

 

 

改めて考えてみると、通常の塾はこれらの新しい塾たちのハイブリッドである。
そう考えると、“解説”と“指導”の両方を実践する必要があると感じてもらえるだろう。

 

 

解説と指導を別々に考える

 

それほど解説が分かりやすいわけではないのだけれども、何となく言うことを聞いてみようかと思うような塾講師がいたりする。
それは“指導”の成果である。

 

 

逆に、解説は非常に分かりやすいのだが、どうにも生徒の学習習慣が改善されない
これは“解説”に能力が偏っている。

 

 

当然だが、“解説”の練習ばかりしていても“指導”の力は伸びない
解説は解説、指導は指導、と分けて頭を悩ませないと、影響力を持つことは最後まで遂にない。
塾講師は黒板や白板の前に立つ以上、“解説”できるのが最低ラインである。
新人講師に対しては“解説”についての指摘をするよう意識して研修をしている。
最低ラインであるとは、出来て当然、ということである。
“解説”が出来て満足していてはいつまでも二流である。
経験を重ねるごとに、少しずつ“指導”を磨かねばならない

 

 

解説と指導は、塾講師に限ったスキルではない

 

プレゼンや発表などで人に何かを伝えるとき、内容がわかりやすくなければならないのは当然だ。
しかし一般にプレゼンなどには、内容とは別に、情熱や信念と言った抽象的な言葉で表現される要素が要求される
つまりは訴求力であり、これは“指導”に通じる概念だと考えられる。

 

 

塾の“指導”も、営業職のプレゼンも、目的は「相手を行動に移させること」である
行動の内容が学習なのか購買なのかの差でしかない。
先ほど“指導”とは影響を与えることだと言った。
講演会などで内容ではなく人そのものに惹かれることがあるが、これもその人が持つ影響力だと考える。
人に何かを訴えかけるあらゆる場面で、“解説”と“指導”のスキルが活きる。
それを分かりやすく磨くことが出来る場が、学習指導塾である。
是非とも塾講師のアルバイトを通じてプレゼン能力を磨いてほしい。
就職活動は勿論、今後の人生でいつか必ず必要になる。

 


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