英語の文型の注意点(前編)
高校英語の構造は、SVOCと副詞の五文型で理解できると、前ページ(何故問題集の最初の単元が「文型」なのか)でお話ししました。
これを実践するうえで、独学では少しわかりにくいと思われる点について、各単元よりも先行してお話しします。
これを読んだ時点でわからないこともあると思いますが、内容が分らない場合は飛ばして読んでいただいて構いません。
文型を理解する基本
動詞の前置詞は、動詞とセットで捉える
前置詞+名詞は副詞であると説明しましたが、必ずしもこう考えない方がわかりやすいこともあります。
私たちは何も、英語の言語学を学習したいわけではなく、あくまで目的は高校英語が読めるようになることですので、それほど厳密に考えない方がいいこともあるのです。
以下の文を見てください。
例: My aunt took care of her cat.
この場合、take care of はまとめて動詞として捉えた方がよっぽどわかりやすいです。
(詳しく知りたい人は句動詞について調べてみてください。ここでは割愛します)
また同様に、まとめて助動詞として捉えた方がよっぽどわかりやすいものもあります。
当然be able toやbe going toなどは、中学時代同様に助動詞として捉えますが、他にも次のような場合があります。
例: You are supposed to wear jacket here.
このsupposedは厳密には受動態となるのですが、意味を考えると助動詞的に捉えた方がわかりやすいですよね。
繰り返しますが、目的は英文を読めるようにすることです。
厳密に英文を考えすぎて、わからなくなってしまっては本末転倒です。
形容詞句や形容詞節は、最初は無視する
形容詞は名詞の修飾、つまり説明をするものです。
五文型の構造をすんなり理解するためには、これらのものは一度無視して英文構造を考えてください。
具体的には、
関係詞節
例: The woman <whom I saw at the party yesterday> looked tired.
同格のthat節
例: The fact <that the economy is improving> affects many investors.
分詞
例: Is the man <standing over there> your uncle?
(<>で囲まれた部分は形容詞)
この三つを飛ばして考えるとわかりやすくなります。
関係詞の例ですと、残ったのはSVCだけで第二文型。
同格のthatはSVOで第三文型。
分詞もSVCの第二文型とわかります。
be動詞に換えても意味が通るものが第二文型(SVC)
第二文型と第三文型がわからない人の指標になると思います。
もう少し厳密に言うと、Sとの間に主語述語の関係が出来ているものがC(補語)となります。
次の文を見てください。
He looks angry.
→He is angry.
The traffic light turned red.
→The traffic light was red.
That sounds nice.
→That is nice.
I have a pen.
→I am a pen.
上の3つの文は訳しても意味は自然ですが、最後の文は明らかに変ですよね。
このようにして判断することができます。
ちなみに、be動詞の文は一部を除いてほとんど第二文型です。
その例外は、進行形と受動態(これらは厳密には第二文型)、そして存在の意味で用いられるときです。
He was still in the shop.
There is an apple on the desk.
いわゆるThere is構文は、中学などでは間違った解説をされていることが多いですが、Thereは主語ではありません。
このthereは副詞で、be動詞の後ろにあるものが主語です。
よってisとareの使い分けは、単純に主語に応じて変化しているだけですので、主語は同じだけど後ろのもので動詞が変わるなんて説明は完全に嘘です。
少し話が逸れましたが、以上の理由から先程の2文は両方とも第一文型であることがわかります。
次のページ(文型の注意点(後編))に続きます。