補正した偏差値が同じでも、勉強量は異なる
ここまで順に読み進めてくれた方々は、偏差値ランキングをかなり正確な目で見ることができるようになったのではないかと思います。
しかし、補正のかけ方がわかっていても尚、落とし穴が存在します。
(補正のかけ方について詳しくはこちら:理系と文系の偏差値は違う)
国公立大と私立大の勉強量の差については、前のページ(国公立と私立の偏差値は違う)で説明した通りです。
ここでは、国公立大学における理系受験と文系受験の圧倒的な違いについて説明します。
理系のセンター試験の勉強は二次試験に役に立たない
これがこのページの主題であり、全てです。
(英語については理系文系共通ですので、この内容には当てはまりません)
文系受験の場合、センター試験で対策してきたことは基本的に二次試験でも通用します。
世界史では、用語や国々の関係や年代、これらはセンター試験でも二次試験でも変わりません。
国語の漢字や言葉の知識なども、十分通用すると思います。(小手先のテクニックだけでセンターを解いてきている場合は知りませんが)
つまり、試験範囲が大して変わらないのです。
理系はこれとは全く事情が違います。
理系の二次試験の範囲は、センター試験では全く出題されない数学Vや化学などがメインです。
センター試験の化学で満点取れても、二次試験の化学は全く解けないなんてことも普通です。
範囲が違うんですから。
理系の国公立受験の場合は、センター試験が終わってから二次試験までの間に、センター試験対策などで全く触れていなかった単元を復習し直すことになるため、かなりハードな内容になります。
「理系は少ない公式覚えるだけで出来るんだからいいよね」
なんて意見を聞くことがありますが、センター数学でさえ公式暗記では乗りきれないのに、二次試験では更に高度な解法を思いつかなくてはいけません。
これらの困難を乗り越えて、そしてその結果周りの人よりも結果を出せた人が、国公立大の理系学部に進学することが出来ます。
これから国公立大の理系を狙おうと思っている人は、以上のことをよく踏まえた上で検討することをお勧めします。
軽い気持ちでなんとなく国公立を狙うのは、理系だろうが文系だろうが奨められません。
新課程の理科の制度は理系にとって優遇措置
実は先程述べたセンターと二次試験での格差は、新課程では大きく改善されています。
具体的には、二次試験の範囲がセンター試験にも課される可能性があるのです。
新課程における理科の制度については、また別ページで解説していこうと思います。
参考ページ:新課程におけるセンター試験の理科について