何故問題集の最初の単元が「文型」なのか
高校英語の文型はすべての基本
ここからは、大学受験に必要な英語をマスターするために必要な、英文の構造について順に解説していきます。
以前のページ(何故中学英語と同じ勉強方法では高校英語が伸びないのか)で申し上げた通り、高校英語の基本は英文の構造を理解していくことです。
そのために最も基本となるのが、「文型」です。
中学校の教科書や問題集では、最後の方にほんの少しだけ載っているだけで、学校などでも重点的に取り上げられることは少ないと思います。
(ひょっとすると、中高一貫校などでは違うかもしれません)
にも関わらず、何故高校では一番最初の単元として扱われることが多いのでしょうか。
高校英語の目的とは
それは中学と高校の英語の目的が異なるためです。
中学英語は、必要最低限の表現を覚えて使えるようにすることが目的.
高校英語は、様々な複雑な英語でも理解することができる、運用することができることに焦点を当てられています。
つまり、中学英語は丸暗記でどうにかなってしまうことが多いですが、高校英語はその方法は通用しないということです。
この点を理解せずに中学の時と同じ感覚で学習を進めても、とても効率が悪くなってしまいます。
ときには学校の先生がこの点を押さえられていないがために、丸暗記させるようなテストばかり出されている学校もありますが、それではなかなか入試での実力は伸びないと思われます。
受験で通用する英語力を身に付けるには、文の構造に対する理解が必要である、そうしっかりと胸に刻んでください。
少し話が逸れましたが、文型についての説明をしていきます。
文型と副詞
文は基本的に、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)の主要な要素と副詞から成り立っています。
これらの組み合わせ方のことを、文型といいます。
この文型には、
第一文型:SV
第二文型:SVC
第三文型:SVO
第四文型:SVOO
第五文型:SVOC
この五種類があります。
そして、これはかなり大切なことなのですが、副詞については、この文の要素に含まれません。
つまり、SVの他に副詞しかない場合、その文は第一文型ということになります。
当サイトではこれら副詞については、全て()で囲う形で表現させていただきます。
それぞれの文型を理解するというよりは、読んだ文が一体どの文型に分類されるのかを判断できることが大切です。
まずは副詞句を除外する練習を
そのためにはまず副詞についてきちんと理解していないといけません。
とりあえず今のところは、以下のものは副詞に分類されると覚えておいてください。
品詞が副詞である語
例: early, always, tomorrow
前置詞+名詞 でできた句(複数の語の集まり)
例: at that store, into the cave, in 5 minutes
これを踏まえて、例えば次のように文を考えていきます。
この程度の文であれば訳ができることを前提に話を進めます。
先程申し上げた通り、前置詞+名詞は副詞句ですので、to the library は副詞として()に入れます。
to不定詞句については、to look for...以下は「〜するために」という副詞的用法ですので、同様に()に入れてしまいます。
そうすると、先程の文はこのようになります。
(<>は形容詞)
during summer vacationについてはこれも副詞ですが、不定詞句の中に入っているので今回は簡単のため割愛させていただいています。
またto read...以下は形容詞的用法ですので、また別物です。
(扱いについてはまた後々解説します)
結局、()に入っていないものはSとVだけですので、この文は第一文型、というわけです。
こんな文なら、一目でもわかるかもしれませんが、わかる英文から分解していくことに意味がありますので、面倒がらずにきちんと手順を踏んでください。
繰り返しますが、簡単な文の分解ができずに難解な英文は読めません。
これから様々な英文に触れていく中で少しずつ習得してください。