国公立と私立で違う、医学部と薬学部
医学部や薬学部を受験する際には、国公立大学か私立大学かでは大きな差があります。
受験システムの差ではなく、資格に対する態度の差です。
このことを理解せずに大学へ進学してしまうと、思っていたのと違う、となってしまうかもしれません。
国公立と私立の資格系大学の違い
私立大学は資格重視
私立大学の医学部や薬学部は、それぞれの国家資格を取ることを最重要視している傾向があります。
そのため、高学年では予備校の講師による講義や、国家試験対策が練られています。
それは、資格を取るために進学してくる生徒、資格を取らせるために進学させる親へのアピールポイントとなるためです。
私立大学は、生徒や保護者のニーズに最大限答えようとするため、このような傾向になるのです。
しかし、私立大学の医学部や薬学部では、注意しなければいけないことがあります。
私立大学の国家試験合格率の罠
私立大学の医学部や薬学部、特に薬学部では、国家試験に受かる見込みの無い生徒は、半強制的に留年させられることがあります。
これは、大学が公表する国家試験合格率を上げるためです。
学校によっては、国家試験合格率が100%だけど、300人いるはずの学年から80人しか卒業出来てない、なんてところもあります。
私立大学は当然授業料が高いです。
医学部や薬学部ともなると、文系の数倍の授業料がかかることもザラです。
そんな私立大学で、半強制的に留年させられてしまうと、金銭的にも大きな損害を受けてしまいます。
国公立大学は、資格よりも研究
私立大学の傾向と国公立大学の傾向は、大きく異なります。
国公立大学に進学してくる生徒は、特に医学部や薬学部レベルの生徒は非常に偏差値が高く、生徒の偏差値相応だったから受験してきたケースが多くなります。
つまり、国公立大学の生徒は、あまり資格を重視していないことあります。
資格を取るために大学に来たというよりは、大学に来たら資格が付いてきた、という感覚です。
(もちろん資格を取るために、努力してきた人も多くいます)
この意識の影響か、大学側も国家試験を重視していません。
資格のための勉強ではなく、学問としての勉強をすることになります。
特に単科大学ではなく、総合大学でその傾向が強くなり、大学で国家試験対策をしないところも多いです。
教授側も、「あ、試験受けるの?頑張ってね」のようなスタンスです。
つまり、国家試験の対策勉強は自力ですることになりますので、学習に要する時間が多く割かれることになります。
今は6年制の実装によりかなり改善されていますが、一昔前の国公立大学の国家試験合格率は半分も無いこともざらでした。
しかも、私立大学と異なり研究が重視されますから、卒業研究などに追われながらの勉強となります。
裕福でないと、私立大学の医学部は厳しい
以上のことを踏まえたとしても、やはり私立大学は金銭的に厳しいものがあると思います。
例えば近畿大学の医学部は、年間授業料だけでも400万、6年で2400万円かかる計算です。
他にもさまざまな費用が掛かると思いますが、これだけでも家が建つ計算です。
医師の資格を有するには、やはりそれなりの努力が必要です。
この記事でも、医学部の国公立大と私立大の差について述べられています。
一度読んでみてください。
参考リンク:国立と私立における医学部の教育意義の違いとは(外部サイト)